AR(拡張現実)と位置情報技術で実現する新サービスの可能性
AR(Augmented Reality)、「拡張現実」という技術領域が実用化フェーズに入り注目を集めています。ARは、もともとVR(仮想現実)に対比され、コンピュータ環境の中にユーザーが没入するのではなく、ユーザーの現実環境の中になるだけ溶け込む形でデジタル情報を提示します。現実空間をデジタル技術で(視覚や聴覚を)強化するという概念から「強化現実」とも呼ばれます。そのため、現実の場所や空間、リアルな情報を知覚するための認識・センシング技術や、デジタル情報を現実空間に合わせてどう提示するかというユーザーインタフェイス技術などの融合領域になります。ビジネス的には特に、場所や空間に連動した情報配信サービスととても親和性が高いと考えられます。測位技術としては、GPSをはじめ、無線LAN電波を用いて屋内でも位置が即座に分かる「PlaceEngine」などの技術も実用化され、それらの組み合わせで新しい領域のサービスが期待できます。ARと位置情報技術を組み合わせることにより、切り開かれる今後のARや位置情報サービスの実用化やビジネス化への展望を語ります。
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クウジット
代表取締役社長
末吉 隆彦 氏 |
慶応義塾大学大学院理工学研究科計算機科学専攻修士課程修了。1992年ソニー株式会社入社。ソフトウェアプロジェクトリーダーとして、VAIO C1などのノートPC商品化に尽力する。2005年よりソニーコンピュータサイエンス研究所勤務。Wi-Fi電波による位置推定技術を利用したロケーションウェア「PlaceEngine」のサービス立ち上げと企画運営を行う。2007年同社を退社しクウジット株式会社を設立、代表取締役社長に就任。
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